こんにちは。行政書士の東です。
今日は、昨日に引き続き、急に相続することなったら何をしたらいいのか? 遺言書探しからお話をしたいと思います。
相続手続の流れ(後半)
◇遺言書の有無を確認
遺言書があった場合は、原則として遺言書通りの分配となります。
公正証書遺言の場合は、検認も不要。2人の証人の立会のもと公証人が作成しているので、そのまま相続人と財産の確認後、分配をすることができます。
自筆証書遺言の場合は、法務局への預け制度を利用していたら検認は不要になりましたが、中身の確認をして有効であった場合、分配をすることができます。
自宅保管の場合は、家庭裁判所の検認が必要になります。
遺言書がなかった場合は、法定相続人へ決まった割合で相続するということを基本に、遺産分割協議を開いて遺産分割協議書を作成しなくてはいけません(それまでは預貯金もおろせませんし、登記の名義変更もできません)
民法の改正で預貯金の一部が引き出し可能になりました。相続に関する民法の規定が改正され、2019年7月1日から遺産分割が確定する前でも故人の預貯金を引き出すことができるようになりました。銀行での引き出しは、金額に制限があるものの比較的簡単に手続きができます。 |
◇相続人の調査
故人が生まれてから亡くなるまでの全ての戸籍謄本や除籍謄本を確認する必要があります(遠方であれば郵送でも可能です)
相続人が亡くなっていた場合は、その方の戸籍も必要になります。
◇相続財産の調査
故人が所有していた財産を全て確認をします。
ここで漏れが生じると遺産分割協議のやり直しが必要になります。
また、相続財産には借金も含まれます。個人の借金は相続人が代わりに弁済する必要があります。
◇遺産分割協議の開始(遺言がない場合)
相続人・相続財産を把握できたら遺産分割協議を開始します。
遺産分割協議を行うにはすべての相続人が集まる必要があります。一人でもかけていたら遺産分割協議は無効になります。
遺産分割協議は必ずしも一か所に集まって話をしなければいけないわけではありません。
メールや電話などで協議を進めることも可能です。
ただし、最終的に遺産分割協議書の作成は必要になりますので、相続人全員の署名押印が必要になります。
◇遺産分割協議が成立しない場合
意見がまとまらない場合や、一部の相続人が遺産分割協議に参加しようとしない場合は、家庭裁判所で遺産分割調停を申し立てることができます。家庭裁判所の調停員が話し合いを進めてくれます。それでも意見がまとまらない場合は、遺産分割審判という裁判をおこなうこととなります。
◇各種の相続手続
遺言書の内容、あるいは遺産分割協議書の内容にしたがって、自分が取得した遺産の相続手続を行います。預貯金を相続する場合は払い戻し手続、不動産を相続する場合は名義書き換え手続をおこなう必要があります。
名義書き換えは速やかに行いましょう。
◇相続税申告と納付手続き
被相続人の死亡の日から10か月以内に行うことになっています。
◇遺言書があっても遺言書通りにいかないこともあります
自筆証書遺言であった場合、いろいろな決まりごとがありますので、無効になることもあります。
そして、遺言があっても、法定相続人(兄弟姉妹を除く)には、遺留分という権利があり、これだけはなくなりません。
遺留分については、また明日お話しますね。では!