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コラム

手話の資格ってどんなのがあるの?

こんにちは、行政書士の東です。今日は手話通訳関係の試験や資格についてお話しますね。

手話通訳士と手話通訳者、言葉は似ていますが意味は違います。

手話通訳者は、手話通訳をする人の事。
手話通訳士は、手話通訳者としての能力を認められた資格(または資格の持ち主)

手話通訳者だからといって手話通訳士ではないということです。

手話通訳士とは(厚生労働省大臣認定)

厚生労働省が聴力障害者情報文化センターに実施を委託している手話通訳技能認定試験に合格し、聴力障害者情報文化センターに登録することで資格が得られます。

手話通訳士は手話通訳業務を独占しているわけではなく、名称を独占しているだけであるため、この資格を持たずに手話通訳に携わっている人もたくさんいます。

手話通訳士の資格がなければ通訳ができないという場面は政見放送や裁判などのごく一部に限定されています。

したがって、それ以外の手話通訳はこの資格がなくても行うことができるのです。
厚生労働大臣認定の手話通訳士の資格を持つ人は2020年10月31日現在で3,832人(鹿児島県35人)

「手話通訳技能認定試験」は1989年(平成元年)から始まりましたが、開始から現在に至るまでの平均合格率は約10~20%と低く、手話通訳士の資格を得ることがかなり難しいことがわかります(一桁になることもあります)

この一方で、手話通訳士の資格がなくてもほとんどの場所で手話通訳の業務に携わることができるため、わざわざこのような難関試験に挑戦しない人も多いのが現状です。

手話通訳者(都道府県認定)とは

〇〇県認定手話通訳者といわれる方は、それぞれの自治体で認定された手話通訳をする人のことです。

主に都道府県が認定した民間機関(全国手話研修センター)が実施する「手話通訳者全国統一試験」に合格することが条件で、試験に合格した後、都道府県の独自審査に通過することで「都道府県認定の手話通訳者」になることができます。

また、各自治体では、手話通訳者を養成するため、手話通訳者養成講座が開講されている場合が多く、この講座を修了すると修了証が交付されます。

養成講座修了者は「手話通訳全国統一試験」の受験資格が与えられますが、受験資格要件は他にもあるため、養成講座を受けていない者でも受験する事は可能です。

この資格だけで手話通訳をして「手話通訳士」の資格を持たない人も多くいらっしゃいます。

手話奉仕員とは(市町村)

手話奉仕員とは、市町村が実施する手話奉仕員養成講座を修了した人のことです。

手話奉仕員養成講座は入門課程と基礎課程に分かれており、基礎課程を修了すると、市町村に手話奉仕員と登録されます。

奉仕員とはボランティアと同じ意味ですので、聴覚障害者の生命や権利に関わる通訳業務は担うべきではないと考えられています。

手話検定

民間試験として全国手話検定と手話技能検定という検定試験があります。これらの検定試験は、ろう者との手話でのコミュニケーション能力を問うための検定試験です。
5級~1級と複数受験も可能ですが、準1級と1級は同日受験できません。
あくまで検定。力試しのような感じですね。

手話の試験と言っても以上のような種類があります。
試験のほとんどが秋~冬になります。現在はコロナの影響で日程等いろいろ変更点がありますので、ホームページなどで確認をしてから申し込みましょう。

これから手話の勉強をはじめてみようかなと思う方へ

私が7年前から通っている鹿児島市の講座です。もしかしたら若干変更しているかもしれません。

  1. 3月か4月の市民の広場に手話奉仕員無料講座が案内されますので、応募をします。
  2. 【入門過程】6月くらいからスタート。3月で終了
  3. 【基礎課程】翌年、はがきで基礎課程のご案内が届きますので応募(以下は毎年同じです)
  4. 【手話通訳Ⅰ】
  5. 【手話通訳Ⅱ】
  6. 【手話通訳Ⅲ】

最低でも「手話通訳全国統一試験」の受験資格を受けるまで実質5年かかります。

次回は、手話通訳者の問題点について書きたいと思います。

 

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